史上最悪のハイパーインフレ10選!お金が紙屑に?日本円換算で暴騰の衝撃を解説

インフレ

お金が一瞬で紙屑になり、パン1個が億単位に。

ハイパーインフレは経済を破壊し、人々の生活を奈落に突き落としました。

この記事では、史上最悪のハイパーインフレ10選をランキング形式で紹介します。

ジンバブエの100兆ドル紙幣からドイツの札束ストーブまで、衝撃の歴史を振り返ります。

日本円換算でその暴騰ぶりを分かりやすく解説し、原因や影響も詳しくお伝えします。

経済危機の教訓を今、紐解きます。

 

10位:フランス(1795-1796年)

有名なフランス革命ですが、経済は火の車でした。

物価は数千倍に急騰し、1795年に100円だったクロワッサン1個が翌年には10万を超えるという大惨事に。

市場は空っぽで、市民は飢え、革命の熱狂は絶望へと変わってしまいました。

お金の価値がゴミのようになり、市民はお金よりも食料を求めました。

原因

革命の混乱と戦争の出費がインフレを引き起こしました。
解決するためにアッシニア紙幣を乱発するも、更に悪化してしまい貨幣は崩壊。

その後の影響

1796年に作った新通貨で何とか安定するも、貧困は続き、ナポレオンの台頭を後押ししました。

 

9位:ロシア(1922-1924年)

1917年に起こったロシア内戦の影響で、物価は200倍以上に急騰。

1922年に1杯50円だったボルシチスープは1923年には1万にまで上がりました。

その価格は当時のロシア人の1か月分の給料と同額

そのハチャメチャ経済から物々交換が流行り、ゴミ同然になったルーブル紙幣で凧をあげる子供たち、燃やして暖を取る人まで出てきました。

原因

内戦で農業と工場が停止。
更にはルーブル紙幣を乱発して貨幣は価値を失いました。

その後の影響

1924年、新ルーブルで安定の兆しを見せるも生活の疲弊は長く続くことになります。

8位:アルゼンチン(1989-1990年)

エンパナーダ(小麦粉で作った生地で具材を包み、焼いたり揚げたりして作る軽食)1個と車が同等の価値だったインフレ時代。

物価は3000%超えの超インフレで急騰。

店の在庫は全く無く、市民は食料を奪い合う地獄絵図でした。

あまりの急騰に1日に3回も値段が変わったことも。

原因

巨額の借金と戦争の傷。
20世紀紀初頭には世界で最も裕福な先進国だったにもかかわらず、現在は国際通貨基金(IMF)が分類する「新興・途上国」になった数少ない国の一つです。

その後の影響

1991年にペソで安定するも、激しい貧富の差が続いています。

7位:ポーランド(1923-1924年)

当時のポーランドは、第一次世界大戦後の独立を回復には成功したものの、戦後の復興失敗と財政赤字などで国内は不安定な状況にありました。

物価は規格外の数百万%にまで急騰し、ピエロギ(同国の国民食)1皿200円が1年後には2000万を超えるという天文学的な数値にまで上昇しました。

当時のピエロギは車より貴重だと言われました。

このインフレに市民は貯金を失い、マルク紙幣の代わりに薪(まき)で取引をしました。

その後の影響

1924年、ズウォティで安定しましたが、生活の苦しみは長引きました。

 

6位:ブラジル(1980年代-1994年)

積み重なってきた巨額の借金と度重なる政策の失敗で、1990年には過去最悪レベルのインフレが起きていました。

それまでフェイジョアーダ(ブラジルの国民食)は1皿500円ほどでしたが、50万を超えるほどに急騰。

普段毎日食べるような1つの食事の値段がです。

あまりの高騰ぶりにレストランのメニューが、『時価』になる始末でした。

その後の影響

翌年には新紙幣で回復しましたが、政策による国民の不信感は大きな傷跡になりました。

 

5位:ベネズエラ(2013-2018年)

石油価格の暴落と政権の失政で、物価は驚異の100万%超えという天文学的な急騰を見せました。

アレパと呼ばれるパン1枚を手に入れるのに札束が必要で、何もかも足りなく市民はゴミ箱を漁り浮浪者のような生活を強いられました。

ベネズエラといえばかつての石油王国ですがその輝きは消え去りました。

その後の影響

2022年にようやく落ち着きを取り戻したものの、貧困と国外脱出は後を絶ちません。

 

4位:ギリシャ(1944年)

第二次世界大戦とナチスドイツの占領で経済は崩壊し、ハイパーインフレを起こしました。

僅か1か月で物価は1万3800%も跳ね上がり、オリーブ1瓶が約50円だったものが同年内に5000万を超えるという規格外の上昇っぷりを見せました。

このインフレで貯金は一瞬で消滅し、買い物のために山のような紙幣を馬車で運ぶ日常でした。

その後の影響

1947年に新通貨でようやく安定しましたが、復興まで長い時間を要しました。

 

3位:ユーゴスラビア(1993-1994年)

内戦で経済が崩壊していた上に、国際制裁が追い打ちをかけた悪夢となりました。

たったの1か月で物価が3億1300万%も跳ね上がり、1993年の初頭にサラミ1本50円だったのに対し、1994年には50億円を超えて高級マンションの値段を上回る数値を見せました。

戦争とインフレの二重苦が、国をバラバラに引き裂いてしまいました。

その後の影響

このハイパーインフレで国は分裂し、市民の心の傷は今も癒えてません。

 

2位:ドイツ(1923年)

第一次世界大戦の莫大な賠償金が国を絞め殺し、ルール地方の占領がトドメを。

紙幣の価値が著しく低下し、パン一斤が一等地のマンションと同じような価格にまでなりました。

あまりに急激なインフレに朝に貰った給料が、その日の昼には半分の価値にまで低下したこともありました。

その後の影響

新マルク紙幣で経済は息を吹き返しましたが、国民の怒りはナチスの火種になりました。

 

1位:ジンバブエ(2008年)

いよいよ人類史上最悪のハイパーインフレを起こしたジンバブエを紹介します。

トウモロコシ1粒が億万長者の財産を凌駕し、果てには100兆ジンバブエドルという紙幣まで誕生。

物価は1か月で790億%という天文学的な急騰を見せました。

トウモロコシ1キロが200円→年末には1000兆円越えという前人未到の領域へ。

ムガベ政権の農地改革が農業を壊滅させ、食料も輸出もゼロに。
国際制裁で孤立した政府は、印刷機を狂ったように回し、貨幣はただの紙クズになり下がりました。

その後の影響

2009年にジンバブエドルは廃止され、米ドルや南アランドにすがる屈辱の日々を送ります。
国は廃墟と化しましたが、市民のサバイバル精神は今も語り草になってます。

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