暗闇の海底、凍える雪山、灼熱の砂漠――死が目前に迫った瞬間、12人の人間が奇跡の生還を果たしました。
腕を自ら切り、洞窟の水をかき分け、3万フィートを落下しても、彼らは生き抜く。
海外の壮絶なサバイバル実話が、あなたの心をゾクゾクさせます。
知られざるエピソードから歴史に刻まれた闘いまで、命の瀬戸際の物語を12話厳選。
あなたなら、この危機をどう切り抜けますか?
アーロン・ラルストン:腕を自ら切断(アメリカ、2003年)
27歳のアーロンは、ユタ州ブルージョンキャニオンの狭い岩の隙間で一人ハイキングを楽しんでいました。
しかし突然、800ポンドの岩が右腕を潰し、身動きが取れなくなります。
水500mlとタコス2つ、ポケットナイフのみ。
5日間、岩を削り、叫び続けるが、夜の氷点下で体温が奪われ、腕は壊死し始める。
幻覚で家族が浮かび、ビデオに遺言を録画。
6日目、「死ぬか、生きるか」と覚悟を決め、マルチツールで腕を切り始めます。
骨を折る音、肉を裂く痛みに耐え、1時間後ようやく解放。
血を流しながら7マイル歩き、ヘリで救出されました。
その後40ポンド減量し、片腕を失っても登山家として新たな頂を目指しています。
マウロ・プロスペリ:サハラ砂漠9日間彷徨(モロッコ、1994年)
39歳のイタリア人警察官マウロは、サハラの6日間マラソンに挑戦。
過酷な砂漠を走り抜ける自信があったのですが、4日目に砂嵐が襲い、視界ゼロ。
コンパスも地図も役に立たず、186マイルも迷走。
エナジーバー数本と水が尽き、アルジェリアの廃墟でコウモリを捕まえ生で食べ、尿や朝露で渇きをしのぎます。
飛行機にSOSを叫ぶも届かず。
8日目、自殺を考えるも娘の顔を思い出して思いとどまります。
9日目、遊牧民の少女が彼を発見。
テントで羊の血を与えられ、病院へ。
肝臓は限界でしたが、ランナーとして再び砂漠に立ち続ける道を選びました。
ホセ・サルバドール・アルバレンガ:13ヶ月漂流(太平洋、2012-2014年)
エルサルバドルの当時38歳の漁師ホセが、7メートルのボートで相棒と漁に出ました。
当時は30時間の予定でしたが嵐でエンジン故障してしまい、メキシコ沖から流されてしまいます。
相棒は6日目に衰弱死。
ホセは鳥の羽をむしり、亀の血を飲み、魚を素手で捕まえました。
サメがボートを揺らす中を恐怖に耐え、夜は星に話しかける。
プラスチックごみで雨水を集め、独り言で何とか正気を保ちます。
438日目の漂流をえて、ようやくマーシャル諸島のサンゴ礁に漂着。
地元民はガリガリに痩せたホセを見て呆然とします。
「助かった」と呟き、5500マイルの漂流から生還。史上最長記録を刻みました。
ジュリアン・ケプケ:飛行機墜落からジャングル生還(ペルー、1971年)
17歳のジュリアンは、クリスマスイブ、母とペルーへ向かう飛行機に乗っていました。
しかしLANSA508便は雷に打たれて空中分解をしてしまいます。
シートベルトごと2マイル落下、ペルーの熱帯雨林に叩きつけられて鎖骨は骨折。腕に深い傷を負い、眼鏡は吹き飛び視界ぼやけます。
母を探すも遺体しかなく、生物学の知識で「川を下れば人に出会える」と歩き始めます。
毒蛇やピラニアを避け、虫に食われながらも9日間飢えと闘いました。
ようやく伐採キャンプにたどり着き、地元民が舟で病院へ連れて行ってくれました。
この飛行機事故で92人中唯一の生存者となり、後に動物学者になりました。
エワ・ウィスニエルスカ:雷雲に吸い込まれ生還(オーストラリア、2007年)
35歳のドイツ人パラグライダーであるエワはオーストラリアで世界選手権の練習中のことです。
突然、雷雲に吸い込まれ、秒速20メートルで9900m、エベレスト超えの高さに。
氷点下40度で酸素薄く、氷が体を覆い意識を失ってしまいます。
パラシュートは絡まり、3時間半後に氷の重さで自然落下。
雪原に倒れ、目覚めたエワは凍傷と打撲のみ。
医師は「生きてるのが奇跡」と絶句。
後にパラグライダーに復帰し、空への情熱を貫きました。
ハリソン・オケネ:沈没船で3日間生存(ナイジェリア、2013年)
ナイジェリアの料理人のハリソンが、沖合で仲間たちとタグボートに乗っていたのですが夜中にボートが転覆してしまいました。
海底30m、ハリソンはトイレのエアポケットに逃げ込みます。
真っ暗な水中で船のきしむ音、酸素は減り、冷水で体温が落ちていく。
コーラ1本をちびちび飲み、3日間耐え続けました。
ダイバーが死体回収に来た時、ハリソンの動く手に大層驚いたようです。
潜水服のライトが彼を照らし、救出。
仲間11人全員死亡の中、唯一の生存者となりました。
ヴェスナ・ヴロヴィッチ:3万フィート落下生還(チェコスロバキア、1972年)
22歳の客室乗務員ヴェスナは、JAT航空便で乗客に笑顔を向けていました。
しかし突如のこと、爆弾テロが起こり機体が空中分解を起こします。
彼女は食事カートごと10,160m落下、尾翼の破片に絡まり雪の斜面に激突。
脊椎骨折して両足麻痺も意識は残っていました。
猟師が煙を見つけ、ソリで村へ運びます。1年半の治療で歩行を回復しました。
ギネス記録の「最高高度落下生還者」となり、その後も航空業界で働き続けました。
リッキー・メジー:未開の地で71日間生存(オーストラリア、2006年)
35歳の農夫リッキーは、ノーザンテリトリーでヒッチハイカーを拾いました。
しかし突然襲われ、頭を殴られ、浅い墓に埋められてしまいます。
目覚めた時、自身は血と土にまみれ、車は盗まれていました。
40度の暑さと夜の凍える寒さの中、カエル、トカゲ、ヘビを食べ、泥水をすすり、木の枝でシェルターを作ることに成功します。
幻覚で死んだ祖父と話し、71日間もの間歩き続けました。
農場の犬の吠え声で発見され、ガリガリに痩せた姿で救出。
結局犯人はわからずじまいのまま、人生をやり直しました。
タイ洞窟救出:サッカー少年たちの17日間(タイ、2018年)
タイ北部チェンライ、12人の少年(11~16歳)と25歳のコーチは洞窟探検を楽しんでいました。
しかしモンスーンで水没に合い、12人は岩棚に閉じ込められてしまいます。
洞窟の水を飲み、コーチの瞑想でパニックを抑え続けます。
自分たちで岩を掘り16フィート進むも行き止まり。
10日目、ようやく英国ダイバーが発見、酸素と食料を届けることに成功します。
17日目、国際ダイバーチームが狭い水中通路を一人ずつ運び、全員救出。
少年たちは「二度と洞窟には行かない」と笑い合いました。
しかしながら救助に参加したダイバー1人は殉職。更に翌年に作業中の怪我が原因でもう1人命を落としています。
ジョー・シンプソン:クレバスからの3日間生還(ペルー、1991年)
25歳の登山家ジョーは、ペルーのシウラ・グランデで相棒サイモンと登頂に成功しました。
喜びも束の間、下山中に足を骨折してしまいます。
さらに吹雪の中、サイモンがロープで下ろすも、ジョーはクレバスに落下。
サイモンはロープを切り、ジョーは氷の底で独り。痛む足を引きずり、3日間這ってベースキャンプへ。
その後、サイモンとジョーは奇跡的に二人とも助かり、涙を流して再会を喜びました。
ドナ・クーパー:デスバレーで3日間耐える(アメリカ、2011年)
56歳のドナは、娘と友人とデスバレーでドライブ中、GPSが誤った道を案内してしまいます。
砂漠のど真ん中で車が故障、気温43度、携帯圏外。
トレーラーに残された缶詰と水1リットルで3日間耐え続けます。
夜は凍える寒さ、昼は肌が焼ける。
ドナは死を覚悟しますが、3日目ヘリの音が響き、救助隊が到着しました。
GPSの古いデータが原因ですが、家族の絆で生還することが出来ました。
ヴィオレット・ジェソップ:3度の船難生還(大西洋、1911-1916年)
看護師のヴィオレットは、オリンピック号で働く誇りを持っていました。
そんな彼女は3回も事故を経験しています。
1911年、衝突事故で危機一髪。
1912年、タイタニック沈没で救命ボートに乗り、赤ん坊を抱いて凍える夜を耐える。
1916年、ブリタニックが爆発、海に投げ出され頭蓋骨骨折も泳いで生還。
乗客の叫び声や冷たい海の感触を日記に残しました。
彼女は「不沈の女」と呼ばれ、71歳まで生きました。
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