増税で滅んだ隠れた5つの国家 歴史のマイナー例と教訓

崩壊

増税で国が滅んだ6つの歴史的例 重税が引き起こした崩壊

前回の記事に続き、今回はあまり有名ではない国家を取り上げたいと思います。

増税は国家を支える一方、歴史では重税が国家崩壊を招いたマイナー例も多く存在します。

ローマ帝国やフランス革命は有名ですが、教科書に載らない事例も教訓に満ちています。

この記事では、増税 国家崩壊 マイナー例を5つピックアップ。

エジプトの農民反乱や日本の地方動乱。2025年の税制議論を考える前に、過去の失敗を覗いてみませんか?

 

1. マムルーク朝(14世紀エジプト) 税で潰れたスルタン体制

1250~1517年まで続いたマムルーク朝はエジプトを中心にシリア、ヒジャーズまでを支配したイスラム王朝です。

14世紀、軍事費と宮廷の奢侈を賄うため、農民や商人に過酷な税を課しました

 

歴史家イブン・ハルドゥーンの記録では、灌漑施設の維持費も増税で補填。

これが農村の荒廃を招き、食糧生産が激減することに。

1340年代のペストと相まって民衆の不満が爆発し、地方反乱が頻発。

1517年にオスマン帝国に滅ぼされる遠因となりました。

 

2. 平安時代末期の日本(12世紀) 荘園税と源平合戦の火種

平安時代末期(1150~1185年)は増税 国家崩壊 日本史のマイナー例の1つかもしれません。

貴族や寺社が荘園(私有地)に重税を課し、農民の負担が増大

方丈記』に記された飢饉と税負担で、農民は逃散(土地放棄)や反乱を起こしました。

この不安定さが源氏・平家の対立を激化させ、1185年の源平合戦で平氏が滅亡してしまいます。

中央権力の弱体化は、鎌倉幕府の成立に繋がりました。

 

3. 唐末期の黄巣の乱(9世紀中国) 塩税が招いた大反乱

唐朝(875~884年)の黄巣の乱。

安史の乱後、財政難から塩の専売制を強化し、原価の10倍もの税を課しました(『新唐書』)。

これにより庶民は塩の密売に走り、経済は混乱を極めます。

 

そして遂には黄巣(こうそう)率いる農民反乱が長安を陥落させ、唐朝は壊滅的打撃を受けました。

907年の滅亡は、この重税の傷跡が一因です。

 

4. ビザンツ帝国のイサウリア朝(8世紀) 税で失った民心

ビザンツ帝国(717~802年)のイサウリア朝。

イスラム侵攻への軍資金のため、レオ3世が農民に重税を課して土地登記を厳格化しました。

厳しい税から逃れるために農民が都市へ流出

これが農業衰退を招き、地方の不満が高まる結果になりました。

802年、女帝エイレネの失脚と王朝交代に繋がって帝国の弱体化が進みました。

 

5.ムガル帝国末期(18世紀インド) 農民を圧迫した土地税

ムガル帝国(1707~1857年)は、極端な税が国家崩壊に繋がりました。

領土拡大に熱心だった当時の皇帝アウラングゼーブ帝の死後、地方総督農民に過重な土地税を課しました。

研究によると税率が収穫の50%超にも達し、農民反乱(例:ジャート反乱)が頻発することになります。

経済は停滞し、1757年のプラッシーの戦いでイギリスに敗北。1857年、帝国は完全に崩壊してしまいました。

 

国家崩壊が示す増税の落とし穴

いかがでしたか?エジプトのナイルから日本の荘園まで、重税の失敗は時代を超えて響きます。

2025年の税制を考えるなら、歴史の隠れた声を聞いてみては?

 

 

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